共同住宅の界壁に係る品質管理について:茨城県建築指導課

茨城県建築指導課HPより

施工者・建築士向け

共同住宅(長屋)の界壁について

 (適正な施工と工事写真の記録)

 

建築物の品質管理に関する不適切な工事について,ニュース等で数多く報道がされています。

近年では,火災時の防火性能に関する事案(共同住宅の界壁の不備),地震時の耐震性能に関する事案(免震・制振ダンパーの大臣認定不適合),構造耐力に関する事案(基礎ぐい工事の不適切施工)など全国的に大きな問題として取り上げられています。

これらは,いずれも「工事監理」が適切に実施されていれば,あらかじめ防ぐことができた可能性が大きいものであり,適切な工事監理の実施をお願いします。

特に,共同住宅の界壁等については,火災時の被害を最小限にするために重要である一方,その仕様を完了検査時には目視により確認できないことから,以下の技術基準をご理解の上,完了検査時に工事写真等を提示していただけますよう記録の保管をお願いします。

 

【界壁の技術基準(建築基準法)】

(法30条:各戸の界壁)

□小屋裏又は天井裏に達すること

(令22条の3:遮音性能)

(昭和45年告示1827号:代表的な仕様)

□壁の厚さが100mm以上

□内部に厚さ25mm以上のグラスウール(かさ比重0.02以上)又はロックウール(かさ比重0.04以上)

□両面に厚さ12mm以上の石膏ボードを2枚貼り

(令114条:界壁,令112条14項,15項)

□界壁は,準耐火構造とし小屋裏又は天井裏に達すること

□配管等の貫通部の隙間は,モルタルその他不燃材料で埋めること

 

【界壁の施工状況の記録】

□小屋裏(天井裏)の施工状況写真

□石膏ボードが2重貼りであることがわかる写真

□配管等の貫通部の処理写真

□材料納入時にグラスウール(ロックウール)の比重及び石膏ボードの厚みの分かる写真,又は,グラスウール(ロックウール)の比重及び石膏ボードの厚みがわかる納品書

 

施工状況の記録写真例はこちら(PDF:3,708KB)